フローリングの重ね張りはDIYでできる?注意点を解説
床リフォームの中でも比較的規模の大きな工事に分類できるフローリングの重ね張り。
既存の床材を剥がさずに新しい床材を上から貼る施工方法ということで一見簡単そうに思えるため、DIYでと考える方もいらっしゃいます。ただDIYで行うには注意が必要です。失敗すると、結果的にプロに依頼する費用が増えることもあるため、慎重な判断が求められます。

まず、重ね張りの施工には正確な計測と技術が必要です。
床の水平を保つことはもちろん、床材のカットや接着にも精密な作業が求められます。わずかなズレが生じると、仕上がりが不格好になるだけでなく、ドアの開閉や家具の設置に支障をきたす可能性があるため、やはりよほど慣れている方でなければお勧めできないというのがやはりプロとしてのアドバイスと言わざるを得ません。
また床の高さが変わるということも考慮しなくてはいけませんね。例えばリフォームで使用される複合フローリングの厚みは12mmですから、少なくとも12mm高さが変わるわけです。
12mm程度!と思うかもしれませんが、では、クローゼットがある場合扉と床の隙間は何mmですか?開き戸がある場合、床と開き戸の隙間は何mmですか?
もし12mm以下の場合、必ず床にぶつかる恰好となります。当然扉が開かなければ生活に不便をきたしますから、私たちプロは扉などの建具の高さを調整して、カンナをかけて、綺麗にしてといったことをするわけです。結構、施工後のことも考えて広い視野で考えていただく必要があるところもDIYでは難しいかなと思う理由でもあります。
そして最後に一番考えなくてはいけないリスク、それは剥がれや浮きの発生です。
接着が不十分だと、時間が経つにつれて床材が剥がれてしまい、逆に修繕費用がかかる可能性があります。特に、水回りや湿気が多い場所では、やはりプロの施工技術が欠かせないと思うわけです。

こうしたことからフローリングの重ね張りはDIYで挑戦できるものの、成功させて健康的な状態を維持するにはやはりどうしても高い技術と知識が必要となります。
失敗した場合には改めて業者に依頼することで、新しいフローリング材や施工費用等、追加費用が発生するリスクもあるため、初めから業者に依頼する方が安全でコストパフォーマンスが良い場合が多いと考えていただくのが良いのではないかと思います。