【床の耐荷重】重たいタンスやピアノを置いても床は大丈夫?
結論から言えば大丈夫です。
住宅の設計は、ある程度の重量がかかることを想定して構造計算されています。住宅の床には「耐荷重」が設定されており、日本の基準では床面積1㎡あたり180kg程度の重量に耐えられるように設計されています。したがって、重たいタンスや家具を置いても、構造的に問題が生じることは通常あり得ないのです。
ただし、以下の点には注意が必要です。是非覚えておきましょう。
局所的な負荷
家具が極端に一点に集中していると、その部分だけに負担がかかり、へこみや床材の損傷を引き起こすことがあります。家具の下に敷物や保護パッドを置くことで、負荷が分散されるため、床や構造への影響を減らせます。
築年数と老朽化
築年数が長く、構造が劣化している場合、想定される耐荷重が確保されていない可能性があります。この場合、重たい家具を置く場所や方法に注意が必要です。
特定の場所への負担
例えば、床下に空間がある「二重床構造」の住宅では、特定の場所にだけ極端な重さが集中するのは避けたほうが良いでしょう。
多くの場合、住宅設計時に耐荷重の基準が守られているため、適切に家具を配置すれば構造的な問題は起きにくいですが、だからといって床を傷つけないのか、傷まないのかといえばそういうことではありません。
例えば、
凹み・・・重さで床材が徐々に沈み込み、凹みができることがあります。特にビニール系の床材は、長期間重たいものを置くと圧力で変形しやすいです。
変色・・・日光が当たらない部分と当たる部分で色の差が生じることがあります。特に木材やフローリングは紫外線によって色あせやすいため、タンスなどで覆われた部分の色が変わることがあります。
重さに耐えられる耐荷重と、床への傷みは別だということを是非覚えておいていただきたいと思います。